牧野が、俺たちの前からいなくなってから3年が過ぎた。
俺は、今でも牧野がいつか戻ってくるかもしれないと思っている。
牧野が、俺らの前からいなくなったのは、俺のせい?
あの3年半前のあの夜のせいだよね。
俺は、どうして、牧野を抱いてしまったんだろう?司と牧野の幸せを願っていたのに・・・・。
あの夜から半年が経って、牧野が大学に姿をあらわさなくなった。
俺は、牧野の家に行った。そこには牧野の姿はなく・・・。
だから、俺は牧野のバイト先に行った。
そこには牧野の姿はなく牧野の友達だけだった。
「ねぇ、牧野知らない?このごろ全然見ないんだけど・・・。」
牧野の友達に聞いてみた。
「やっぱり、花沢さんでしたね。一番につくしのことを探しにくるのは・・・。つくしは、もうここにはいません。」
牧野の友達は寂しそうに悲しそうにいった。
「いない?あんたは牧野の居場所知ってるの?いつ、帰ってくる?」
俺の質問攻めに嫌がる素振りも見せずに松岡は答えてくれた。
「はい。私は、つくしの居場所、知ってます。だけど、お教えすることはできません。つくしとの約束ですから。つくしは、ここに帰ってくることはないと思います。」
「どうして?」
理由を聞いてもいいのかとすこし躊躇ったけど、聞いてみた。
「つくしは、今、一人でがんばっています。つくしがここを去った理由を聞きました。だけど、それもお教えすることはできません。ただ、皆さんと一緒にいることはできないと言ってました。」
「そっか。ありがとう・・・」
牧野が・・・俺たちと一緒にいることができない・・・今まではいつも一緒にいたのに・・・それはやっぱり俺のせいだろう。
「あっ!花沢さん!」
俺が帰ろうとしたとき、松岡が俺を呼び止めた。
「何?」
俺は振り返って答えた。
「『探さないで。』、つくしからの伝言です。探さないであげてください。」
やっぱり・・・。牧野のこと。絶対に探してほしくないって言うんだろうと思ってた。
「ん。わかってる・・・。」
探したい・・・だけど、牧野が望んでるんだ。俺に、牧野を探す権利なんかない。
「つくしを責めないであげてください。それから、花沢さん自身も・・・。誰も悪くない・・つくしの話を聞いて、私はそう思いました。だから・・・つくしも、花沢さんも、道明寺さんも、悪くないんだと思います。」
「ありがとう・・・。」
そう言って俺は、店を出た。
牧野がいなくなって1年くらいが経って、司が帰ってきた。司は、牧野と別れていて、牧野がいなくなったことも知っていた。みんな、牧野がいなくなったことを知りながら、探す人はいなかった。
牧野が望んでいるから・・・そう、思っているんだろう。だけど、みんな、いつかは戻ってきてくれる、そう信じてる・・・。
それから、今まで、みんな仕事が忙しくなり、集まることもなくなった。だから、誰がどうしているかなんて、わからなかった。
ねぇ・・・牧野?今何してる?牧野が俺たちの前から、消えたいって願ったのは、俺のせいだね。
あの夜がなければ、司と牧野、今ごろ結婚してるのかな?今ごろ、幸せな家庭を築いてるのかな?
俺だね。すべてをぶち壊しにしちゃったのは・・・。牧野の幸せを願ってるなんて言っておきながら・・・その幸せを壊したのは・・・。牧野・・・許して。幸せを奪ってしまって・・・。牧野・・・いつか俺の前に姿を現して?ただ一度だけでもいいから・・・。
俺は、3年前から仕事漬けの日々を送っている。牧野のことを思い出すのは、辛いから・・・。牧野の友達に言われたことを思い出す・・・。自分を責めないで・・・・と。だけど、俺には都合よく考えられない。仕事をしていないとき、必ず牧野のことを思い出す。
これからもこんな日々を送るのだろう・・・。俺は・・・一生牧野を忘れられない。
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